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母乳とお薬の不安。「授乳中も使えるお薬」について。

最終更新: 4月8日

風邪&喘息の妻の要望により、

「授乳婦の服薬」について少しまとめてみました。


〜〜〜〜〜


母乳は母親の血液から作られます。

なので、多くのお薬は母乳中に移行します。

「赤ちゃんが要らないお薬を飲んじゃう」ってことですね。

赤ちゃんに副作用が出てしまう可能性があり、とても心配です。


授乳中は

  ○お薬を飲むのを諦める

  ○授乳を諦める。

このどちらかになると考えられています。


ですが、、、

必ずしもそうではありません。


多くのお薬で

「母乳中に移行する量は非常に少ない」ことがわかっていて、実際に赤ちゃんに影響する可能性はかなり低いです。

また、離乳食が進んでいたり、粉ミルクなどを併用していると、母乳を飲む量が減るのでお薬の影響はより少なくなります。



また、お薬によって母乳へ移行する量・割合が異なります。

なので、

個々のお薬の正しい情報をもとに、医師とよく相談して「授乳中も使えるお薬」を見つけていくことが大切です。


〜〜〜〜〜


多くの製薬会社が、多くの薬について

「授乳婦への投与」に関して、

  ○授乳を避けること

  ○授乳を中止さ せることが望ましい

  ○治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること

などとしています。


これらは添付文書(薬の説明書)に明記されています。

  例)「授乳中の婦人に対しては、本剤の使用経験が少ないので、患者に対する本剤の重要性を考慮した上で授乳の中止あるいは本剤の投与を中止してください。ヒトにおいて、乳汁中への移行や乳児への影響などに関する報告はありませんが、動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が報告されています」


これを読んだら普通は母乳を飲ませられませんよね^^;


でも、これは製薬会社の責任逃れのための文章なので気にしないで下さい(←言い過ぎ)。

こう書いておかないと、何かあった時に責任問題になるのでね〜。

調べることを放棄しているとも言えますが。(薬にもよりますが実際に調べるのはかなり難しいでしょう)


〜〜〜〜〜


もう少し専門的な話。


薬の母乳中への移行について

  ○高分子化合物の母乳移行は制限されるが、多くの薬物は分子量が 250~500 (小さい)ので、母乳に移行する。

  ○母乳移行しやすいのは,弱塩基性薬物,脂溶性薬物,血漿タンパク結合率が低い薬物など.

  ○乳児に移行する量は,通常では母親に投与された薬物量の 1%以下である.

  ○乳児の1日薬物摂取量は,母乳中の薬物濃度と 1日哺乳量との積(掛け算)。

とのことです。

急に専門的になって理解できない?


そんな皆さんに、たった一つだけ

覚えておいて欲しい数値があります。


それはRID」  = relative infant dose


日本語では「相対的乳児薬物投与量」と言います

(実際は言わない。みんな「RID」って言う)



RID=乳児摂取量/母体摂取量 ×100(%)


つまり、

「赤ちゃんが飲む量÷母親が飲む量」ってことですね


このRIDが10%未満であれば,一般的に安全とされています。

そして、多くの薬物が RID=1%未満です。


*他にも「M/P比」や「IE」といった指標もあるが、面倒なので今回は省略。

 というか「RID」で考えるのが主流です。


ただし、

「どの薬のRIDがいくつで」というデータ自体をネット上で探すのはかなり大変です・・・でした。


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母親が薬を飲むタイミングについて


乳児への薬物の影響 を最小にするために「授乳直後に薬を飲む」または「赤ちゃんが長く眠る直前に薬を飲む」などが勧められたりしています。


どうせ飲むならそれが良いかもしれませんね。


ただ、母乳の薬物濃度のピークが例えば「3時間後」だとして、

「赤ちゃんが3,4時間、おっぱいを飲まずにいる」

ということ自体がかなり難しいですよね。


そして、そもそもRIDが低い薬では、このピークは「考慮するほどの影響がない」ので無視して良いと言えます。

〜〜〜〜〜〜


さて、ここから各論に入ります。(各論といっても「喘息薬」に限る)


結論から言うと

「授乳中も喘息の薬物治療は継続してOK。母乳に移行する薬の量はごくわずかで、赤ちゃんに影響が出るおそれはほとんどない」

です。



吸入薬について

【パルミコート】◎

   母乳中への移行は少量で、母乳育児に適し ている。

   添付文書;記載なし   Briggs :移行量不明、悪影響を 及ぼした 報告なし


【プロピオン酸フルチカゾン (フルタイド)】○

   乳汁移行に関する情報が見当 たらないが、他 の外用ステロイド剤同様に移行量は少ないと 考えられる。

  添付文書;投与回避、授乳中止   Briggs :行量不明。


【プロピオン酸ベクロメタゾン (キュバール) 】◎

  ヒトでの情報あり。哺乳児に対して有害事象が観察されていない 。

  添付文書:記載なし。  Briggs :移行量不明、悪影響を 及ぼした 報告なし



貼り薬

喘息でよく使う「ホクナリンテープ」ですが


【ツロブテロール塩酸塩 (ホクナリンテープ)】○

  ヒトでの情報なし。乳児(生後半年から)に適応を持ち、通常量であれば授乳との両立は可能。

  添付文書:禁授乳



微妙ですね。

「使っていいよ。でも気をつけてね」という感じです。



その他、気になるお薬があったらこちらで調べてみてください。

「母乳とくらしハンドブック」

Mother's Milk and Medications Handbook for a medical profession 2010

http://www.oitaog.jp/syoko/binyutokusuri.pdf


「大分県『母乳と薬剤』研究会 編」ということで大変しっかりした「まとめ」です。

素晴らしい。ありがとうございます。


〜〜〜〜〜


最後に


授乳婦への服薬指導について

「薬物療法の必要性と有害作用の説明に加えて,母乳育児の有益性と母乳を中止した場合の不利益を説明することも必要である。授乳婦の薬物療法では,乳児への影響を最小限にしたうえで,できるだけ授乳を継続することが望ましい」

とのこと。



母乳育児には様々な良い点があります。

栄養摂取だけでなく、お母さんと赤ちゃんのスキンシップでもあります。


お母さんが病気でお薬を飲まなくてはいけない時も、なるべく授乳が続けられうように、安心できるように、ちゃんと調べてお薬を選択していけるようになりたいです(理想)


〜〜〜〜〜


「薬は絶対飲みたいくない!」という喘息授乳婦さんはこれ。

『薬に頼らずぜんそく・セキが止まるすごい方法』 (わかさカラダネBooks)


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