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腎不全・透析患者さんの薬。腎排泄について。

「腎障害がある」あるいは「透析療法を受けている」患者さんは

薬の服用について、当然、普通の人以上に注意が必要になります。


「注意」は2つ

●飲んではいけない薬がある(禁忌薬)

●飲む量を調節する必要がある(主に減量。稀に増量も)



その「理由」は2つ。

1:血中濃度の上昇

2:腎臓に対する直接的な悪影響(腎毒性)



これを少し詳しく書いてみます。


(前回の記事:『糖尿病から透析へ。薬と低たんぱく食』)

https://www.casagatos4.com/post/20190921a



1:血中濃度の上昇

腎臓の役割は、血液をろ過して不要な物質や異物(薬)を尿中に排泄することですが、腎臓が悪いと薬の排泄が遅れ体内に留まる量・時間がUPします。

血中濃度の過度な上昇は、それだけ副作用の可能性をUPさせます。

   

 【基礎】

  血液中の薬は主に2つの経路から排泄されます。

  すなわち「肝臓」か「腎臓」か。それは薬ごとに初めから決まっています。

  『肝排泄』の薬は、今回は全く問題ありません。


2:腎臓に対する直接的な悪影響(腎毒性)

腎障害は【腎臓への血流の減少】【糸球体・尿細管への直接的な毒性】によって起こります。

以下の5種類の薬剤に気をつけましょう。


●抗生物質・抗菌薬  

  1. アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシン、カナマイシン、など)

   急性尿細管壊死を起こす。薬の量に依存するので、投与量の調節が大切。

  2. βラクタム系(ペニシリン系)抗生物質

   アレルギー性の急性尿細管間質性腎炎を起こす。

   薬の量ではなく、アレルギーで起こる。発熱、発疹、関節痛などの全身症状を伴う。


●非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)  

  急性尿細管壊死、アレルギー性の急性尿細管間質性腎炎、どちらも起こす。

  「NSAIDs腎症」という急性腎不全とネフローゼ症候群(微小変化)を起こすこともある。

  また、プロスタグランジンの産生を抑えるために腎臓への血液の流れが悪くなり、急性腎不全を起こすことがある。頻度が高く、薬を飲んだ後に、尿量が減るようなら要注意。


●抗癌薬(シスプラチン、ネダプラチン)=注射・点滴用の薬剤

  急性尿細管壊死がよく起こる。


●造影剤  

  造影CT、血管造影などで使われる造影剤は、腎臓への血流障害、尿細管障害を起こすことがある。

  腎機能にもよるが、尿がしっかり出るように、検査前後に十分に水分を摂取しておくことが大切。


●その他  

  ・シクロスポリン(免疫抑制薬)による腎機能障害、

  ・抗リウマチ薬によるネフローゼ症候群(膜性腎症が多い)

  ・抗甲状腺薬によるMPO-ANCA関連血管炎(半月体形成性糸球体腎炎)

  ・漢方薬による間質性腎障害




以上が主な「注意事項」です。


ですが、

『腎障害』と一口に言っても、その程度や治療状況、透析の有無などにより薬への対処が違ってきます。

腎臓の働き具合を示す腎機能値(CCr等)を目安に、減量もしくは使用間隔の延長を図り、場合によっては使用を控えます。


【参考図書】


さて、ここまでは共通の注意事項でしたが、

『透析』の場合はさらに注意が必要です。


透析療法においては、薬が「透析によって除去されるかどうか」が問題です。

 ・簡単に除去される抗てんかん薬のフェノバールなど、透析に先立ち追加服用が必要なことがあります。

 ・除去されにくい抗パーキンソン薬のシンメトレルなどは、服用を避けるなどの対応が求められます。



また、透析患者には「禁忌」の薬剤があります。

禁忌とは「絶対に使ってはいけない」ということです。



透析患者への禁忌薬は3つ。

 ①アルミニウム含有製剤

 ②ACE阻害剤(AN69膜使用患者)

 ③副作用の発現が増強されるおそれのある薬剤(シベノール、ベザトールSR)


以下、その詳細です。


①アルミニウム含有製剤

長期投与によりアルミニウム脳症やアルミニウム骨症を発症することがあり

医療用医薬品ばかりでなくOTC薬にも注意が必要。

[薬品名]アルサルミン、アドソルビン、SM散、コランチル、マーロックス、マルファ配合顆粒 など


[OTC薬]太田胃散、スクラート胃腸薬、アバロンZ、ガストール、カイゲ ン感冒カプセル、ミヤリサン胃腸薬 など


②ACE阻害剤(AN69膜使用患者)

血管浮腫(顔面浮腫、咽頭浮腫)、嘔吐、腹部痙攣、気管支 痙攣、血圧低下、チアノーゼなどのアナフィラキシー症状を発現した報告あり。

[薬品名]エースコール、コバシル、タナトリル、レニベース、ロンゲス

[作用機序]AN69膜により血管拡張物質で あるブラジキニンの産生がUP。

    不活化キニナーゼIIによって不活化されるが、これがACEと同一の酵素であり、

    ACE阻害薬投与によりブラジキニンの蓄積が起こり、ショック症状を起こす。


③副作用の発現が増強されるおそれのある 薬剤(抗不整脈薬、フィブラート系薬)

・シベノール、リスモダンR

  透析でほとんど除去されず、急激な血中濃度上昇により、

  意識障害を伴う低血糖等、重篤な副作用が現れるおそれがある。

・ベザトールSR

  横紋筋融解症が、透析患者・腎不全患者で発現しやすい。


【参考図書】


今回はここまで。本当に難しいですね。

というか覚えきれません。


また、「腎排泄の薬剤」について、特に透析患者さんへ注意が必要な薬を調べたいと思います。薬品名など。

それはまた次回以降に。



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